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■歯周病とは?
What’s periodontal disease
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。最終的に歯を失ってしまうことになるとても怖い病気です。一昔前は「歯槽膿漏(しそうのうろう)」と呼ばれおり、「不治の病」と言われていました。
ルートプレーニングが必要となるのは、主に中程度に進行した歯周病の場合です。歯周ポケット内部には歯根(歯の根)がありますが、この歯根面に歯垢が付着すると、細菌の毒素がセメント質に浸透して「汚染セメント質」となります。
発生メカニズム・症状など
まずは症状チェックです。
思い当たる症状はありませんか?
□ 歯磨きの時に出血する
□ 起床時に口の中がネバネバする
□ 歯肉がむず痒い、または痛い
□ 歯肉が赤く腫れている
□ 口臭が酷くなったような気がする
□ 固いものが噛みにくい
□ 歯が長くなったように見える
□ 歯と歯の間に隙間が出来てきた
上記の項目3つに当てはまる・・・
なんとなく危険な状態です
上記の項目6つに当てはまる・・・
歯周病が進行している可能性があります
上記の項目全てに当てはまる・・・
歯周病がかなり進行していると考えられます
■歯周病の発生メカニズム・プラークが原因です
人の口腔内には、約300~500種類の細菌が棲んでいるのをご存知でしょうか?これらの細菌は、普通の状態であればあまり悪いことはしません。
しかし、歯みがきをきちんと行わなかったり、甘い物を過剰に摂取してそのままにしておいたりすると、細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。このネバネバが、歯垢(プラーク)と呼ばれるものです。粘着性が強く、うがいをした程度では落ちません。
■プラーク僅か1mg中にはなんと10億個の細菌が
この歯垢(プラーク)1mgの中には、驚くことに約10億個の細菌が棲み着いていると言われています。その中でも歯周病をひき起こす細菌が特異的に存在していることが解明されています。
このプラークを放置してしまうと、中の細菌によって歯肉に炎症が引き起こされ、やがて歯を支えている骨を溶かしていくため、結果的に歯を失う原因となってしまうのです。
歯ぎしり・抜歯の放置・入れ歯・ブリッジ等も因子です
次に挙げることも、歯周病を発症・進行させる 因子となることが分かっています。
心当たりはありませんか?
□ 歯ぎしりやくいしばり、かみしめなどの癖がある
□ 不適合な被せ物(冠)や義歯(入れ歯)
□ 不整な噛合(悪い噛み合わせ)
□ 抜歯した後の放置
□ 不規則な食習慣
□ 喫煙
□ 過度のストレス
□ 糖尿病・骨粗鬆症・ホルモン異常などの全身疾患
□ 肥満
この中でも、歯ぎしりや食いしばり・悪い噛み合わせ・抜歯の放置・入れ歯・ブリッジ等は歯と歯を支えている組織に強い圧力がかかる状態となっています。
歯ぎしりや食いしばり
歯がギリギリと音を立てるくらいに強い圧力がかかります。
悪い噛み合わせ
一部の歯に余計な圧力がかかっている状態です。
抜歯の放置
歯がないため、物を噛む時に分散されるべき圧力が、残っている歯に余計にかかっている状態です。
入れ歯・ブリッジ
いずれも残っている歯に大きな負担がかかってしまいます。
■歯周病は全身に影響を及ぼします
歯周病菌は腫れた歯肉や歯肉に出来た傷口から血管内に容易に侵入して、血流に乗ることで全身に回ります。歯周病菌は心臓や血管内で血栓を作りやすくすることが分かっており、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。また、口腔内を経由して、肺など呼吸器に吸い込まれます。喘息や喉頭炎などの他、誤嚥性肺炎の原因となります。関節炎や糸球体腎炎との関わりも指摘されています。関節炎や糸球体腎炎の原因となる黄色ブドウ球菌や連鎖球菌の多くは、歯周病原性細菌など口腔内に数多く存在します。さらに、糖尿病との関わりにおいては、インスリンの働きを妨げて血糖のコントロールを困難にしたり、妊婦においては歯周病菌が子宮内で陣痛を促進させる働きをすることで早産(低体重出産)の原因にもなります。
つまり、歯周病は、呼吸器疾患・心臓血管系疾患・糖尿病・腎臓病・低体重出産(早産)などの様々な全身疾患の発症・進行に関係しているのです。
※表は横にスクロールできます。
■歯周病も予防が大切です
昔は「不治の病」とまで言われた歯周病ですが、現在では予防も治療も可能です。しかし、治療可能といっても、酷くなってから治療することになると費用も時間もかかる上に、長期間放置しておくことで全身疾患のリスクも大きくなってきます。
歯周病の原因は歯垢なので、プラークを溜めない・増やさないことを意識することで、効果的に防ぐことが出来ます。まずはご自宅で効果的なブラッシングを行ったり、定期的に予防歯科を利用して、歯みがきだけでは取り切れないヨゴレをキレイにクリーニングすることが大切です。